秋の日に

久しぶりに爽やかな秋の日。午前中、アキラに北口の美容院まで車で送ってもらう。途中、秋祭りの御神輿に出会ったり・・・気分もルンルン。ごま塩色の私の髪をカットしてくれるのは、二男のレイジと同い年の、最近ちょっとお腹が出てきた店長さん。「いつものように、短くしますか」というと素早い鋏さばきで、チョキチョキと手際がいい。「はい、如何ですか?」と後ろに鑑を当てて、カット具合を見せてくれる。えっ、もう終わり!と心で思いながらも「ありがとう」とにこやかに礼を言って、外に出ると、秋の陽が、軽くなった私の頭の上に溢れるように降って来た。

家に帰って、山本ふみこさんの「暮らしと台所の歳時記」を開と「9月13日〜17日ごろ セキレイが鳴きはじめるころ」とあった。鶺鴒って、どんな鳥だったっけ? 辞書を引くと「・・・水辺でみられ、スズメより大形。尾が長く上下に振る習性がある。・・・」なるほど。涼しくなると、活字が恋しくなるなぁ。

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アルテミス

東京芸術劇場のシアターイーストで、「黒田育世とBATIKダンサーによる日替わりデュオ!」と銘打ったBATIKの公演を観た。まあ凄かった。昨年お母さんになられた育世さん、もう、以前の「おどりが踊りたいの」と叫び続ける女の子には戻れない。

ストラビンスキーの「春の祭典」の強烈な曲に乗ってダンスする彼女に、私は、いつの間にか、数年前ナポリ国立考古学博物館で観た古代メソポタミアのエフェソス神殿の女神アルテミスを重ねて観ていたような気がする。

ナポリ国立考古学博物館のディオニソスの間に置かれた漆黒のアルテミス像は、身体に多くの乳房と動物たちをくっ付けていた。ローマの友人は、それは乳房ではなく、牛の睾丸でもあると言い、アルテミスは、命を生み出す大地母神のような存在なの、と付け加えた。

また、ギリシア神話では、アポロンの双生の妹で、美しく若い、処女の狩人。ローマ神話では月の女神・・・などと話してくれた。

終演後、叡と一緒に楽屋を訪ねると、そこに現れたのは、エフェソスの女神ではなく、ニコニコ明るい顔をした、いつもと変わらない育世さん。傍らに、まるまるとした赤ちゃんを抱っこしたジロさん。この光景も,なんと素晴らしいことだろ!

秋のはじめ、幸先のいい、実りに恵まれた一日だった。

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頭上に 極上を。

憎らしいほど暑い夏日がやっと収まって、爽やかな秋の日が始まった。

昼下がり、打ち合わせに来たハイウッドの高樹さんが「これ」と言って、大きな包みをアキラに差し出した。開けてみると、なんと、今アキラが一番欲しがっていた純白のパナマ帽ではないか。

2年前の夏、シシリー島のエリチェで、あまりの暑さに耐えきれず、道ばたで1000円で買った白い帽子が気に入り、冬でもかまわず愛用していたが、ついに先日へなへなになって、捨ててしまったという。いくらイタリアで買ったとは言え、夏の日よけの麦わら帽にすぎないのだが、型がどことなく粋なのだ。最近では、半ばアキラのトレードマークになっていた白いパナマ帽。それがなくなったとあっては、アキラの心中思いやられるなぁ〜と案じていた矢先のこと。

包みの中に、「あきら先生受賞おめでとうございます。BATIK一同心よりお祝い申し上げます」と書かれた薔薇の花形のメッセージカードと、Borsalinoの説明書が入っていた。どうも、今年の貰った、芸術選奨の文部科学大臣賞のお祝いのつもりらしい。若い女性のダンサーのみなさんの優しい心と勘のよさに感動する。

実は、昨年11月アキラは古希のお祝いに旧天使館の面々から、やはりBorsalinoの紳士帽をプレゼントされた。でもこれは焦げ茶の冬用。これで、夏冬いつでも安心になった。うれしいこと!!

曰く「頭上に 極上を。」

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