手紙(1981.1.9) ミツの災難

ドイツ語もままならないうちに、Stuttgartに住み始めてまず困ったことは、子どもが病気になった時だ。羊のように温かく優しい目をしたフラウ・ブルーメ(近所に住む老女医さん)に、「で、どんな具合なの?」と聞かれて、どう言 …

手紙(1980.12.8) おばあちゃんのお迎え

演出家の倉本聰さんが「昔は節約が善だった。靴下に穴があけばお袋が夜なべして繕ってくれた。その靴下にはお袋の愛情がこもっていた」と言われたのを新聞で読んで、そういえば、35年前ドイツに住み始めて、日本に帰るまでの私の夜なべ …

自爆テロは最終自己表現か 14

梵天の中に宿る神我は、観照者、傍観者であって、宇宙の基盤をなしている霊体、魂体、肉体の三つの「体」を生み出している根本原質(プラクリティー)には一切、関わりません。三つの成分はプラクリティーから発生します。霊体から純質が …

自爆テロは最終自己表現か 13

バガヴァッド・ギ―タ―が述べているのは、ただ次の一点だけです。この世界において「過ぎ去りゆくもの」と「永遠にとどまるもの」、この区別を、人間に立てられるか、という点においてだけです。そして、バガヴァッド・ギ―タ―において …

自爆テロは最終自己表現か 12

感覚世界ばマーヤである、そして、人間はすでに昔、神聖なバガヴァットによって、殺されたのである、人間は単なる外観上の殺戮者であるに過ぎない、人間が感受する感覚世界はその生においても死においても、「仮象」である、そして、それ …

自爆テロは最終自己表現か 11

自ら が幻術を生み出すことによって、人間に悪の事実性を行わせしめた後に、クリシュナは、その根源の姿を現します。 予は世界を滅亡せしめる時(カーラ・死)である。 諸世界を収斂するためにここに出現したのである。 たとえ汝がな …

自爆テロは最終自己表現か 10

人間におけるいかねる悪行も、知識によって越えられある、知識は一切の行為を灰に化することを述べた後、クリシュナはこの仮象の世界について次のように語ります。 これらの成分(グナ)からできている  三種の状態によって惑わされた …

自爆テロは最終自己表現か 9

人性三分説の観点から考えるならば人間は霊と魂と体からなるものであり、純質・激質・翳質の働きは魂の三つの側面を表している。純質は、個的な欲望から解放された共感の働きに満たされています。激質は強い欲望と願望、共感と反感の二つ …

自爆テロは最終自己表現か 8

バガヴァット・ギ―タ― バガヴァッド・ギ―タ―は、紀元前六百年から四百年くらいの間にかけて描かれたと言われている、古代最大の叙事詩マハーバーラタの中の十七章からなる「神の歌」であり、筑摩書房の世界古典文学全集において、辻 …

自爆テロは最終自己表現か 7

マニ教は紀元後三世紀頃ササン朝ペルシャに生じ、ユダヤ教やキリスト教またグノーシス派等の世界観も結びついた二元論的宗教です。それは光と闇、善と悪、霊と物質等の二つの原理によって世界が支えられており、そこでは善と同様に悪その …