夏の記憶

目覚めると

おおきな夏の青空が

リウマチで歪んだ

わたしの カラダの内側に

するりと入り

70年前の夏の朝が

今日の朝と重なる

幼い目に映った

あの青空

顔より大きく切った  くし形のスイカ

甘い香りが あたりに漂い

小さな口もとから

赤い果汁が

溢れ出る

洗濯したての 白い

木綿のワンピースの胸元が

真っ赤に染まる

容赦なく

照りつける

真夏の太陽の光は

夢中でスイカに食らいつく

穢れを知らない子どもらの皮膚を

じりじりと  焼く

ひまわりの黄色い花弁に目が眩み

ミツバチが  ぶんぶん唸る

スイカの種飛ばし

「一番遠くに飛ばしたのは  だあ〜れ?」

明るい声が

遥か彼方に 木霊する

無限の時間の凝固

畑の中の

野うさぎの滑走

一匹のトカゲが

焼けた石の上を

走った

未来から 記憶の風がふいてくる

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夏の空に向かって

早春の風に乗って、青空に向かって飛んで行った詩人の片山令子さん。

夏の空は、いかがですか?

真っ白なフワフワの雲。いつの日か、国立の大学通りの喫茶店で一緒に食べたアイスクリームのように美味しそう!!

朝起きると、まず二階のベランダから空を眺めます。爽やかな空気の中で、風のそよぎに触れながら、鳥の声を耳にしながら、令子さんのコトバを想うのです。

空はやがてみんなの住むところ

ひとびとの精神(スピリッツ)が

生きているところ。                       ー空の時間ー

そして、私は、いつの間にか空の人になった令子さんに「おはよう!ご機嫌いかが?」と、夏の空に向かって呼びかけます。

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