桃の節句ー二人の私

今日は3月3日お雛さまの日。今から52年前、私はアキラと結婚し、以来今日のこの日まで、よくぞ一緒に生活してこられたことか!と、思ったとたん、頭の中で52年前の3月3日に時間がワープした。そして、24歳と23歳の、まだまだ世間知らずの若い私たちの結婚式を温かく見守ってくださった、大野一雄ご夫妻、土方巽氏、澁澤龍彦氏、矢川澄子氏、吉岡実氏、加藤郁乎氏、森谷均氏、常住郷太郎氏、高井富子氏………と久しぶりに邂逅し、ひとしきり楽しくお話した。
その日も今日と同じように、ほんのりと冷たい空気の中に、春の陽光が溢れて……

一瞬にして、52年後の今日に戻ると、新型コロナウィルスの不穏なニュースばかり。免疫力のない私にとっては、危ないなぁ!
街の花屋さんにピンクや黄色や白など甘い香りの花々がいいち早く並ぶ嬉しい時なのに。

今では、大野先生ご夫妻も土方さん、澁澤さん、澄子さん………誰も見えないけど、私のカラダのなかには、彼らの温もりが確かにある。その温もりに包まれて、23歳と75歳の2人の私が同居している。。

comment(0 )

ページのトップへ戻る

いつの間にか、クリスマスローズが咲いている

だんだん体の機能が働かなくなってきて、何ごとにも時間がかかり、いつも時間切れ。
数日たまった新聞をまとめて読む。コロナウィルス、みあちゃん虐待死の裁判、教員間の暴力事件、「桜を見る会」のこと、ドイツの右翼過激派の銃撃テロ事件………やれやれ……と私の手に余る大きな紙面をガサガサと広げて読み進むと「障害があっても限界はない。限界を作るのは自分の心だ」と話すポーランドに住む39歳の青年の言葉に出会って、ほっとする。「時間切れだ」と自分に言い訳をして、読むのを放棄しなくてよかったな。

もうすぐ三月。我が家の庭の雑草も動き出し、よく見ると、紫陽花とさつきの間の奥で、一昨年アキラに植えてもらったクリスマスローズの白い花が一輪咲いているではないか‼️

comment(0 )

ページのトップへ戻る

家族って不思議で面白い

令和2年元旦。静かで穏やかなお正月。晴れ。
ミツとなおかは、車で三重県方面に(チヤボ2羽も一緒に)出かけた。レイジとひろ子はお正月から仕事。チンはどうしているかな? 18歳になった一人娘と一緒にご飯を食べるんだとか、久しぶりに去年の暮に顔を見せた時、言っていったけ。

それぞれがそれぞれのところで、自分自身を生きている。家族って不思議なもの。
固ったり、離れたり、見えたり、消えたり、赤だったり、青だったり、………ない方が良かったり、やっぱりあって欲しかったり。

家族って不思議な生きもの。

comment(0 )

ページのトップへ戻る

役立たずの私に与えられた贅沢な時間

年の瀬も押し迫まった今頃は、毎年、窓拭き、空調の掃除、戸棚の掃除、日頃ほったらかしの庭掃除など、太陽の傾きを横目で見ながら、一日中大掃除に明け暮れしていたものだが、雑巾も絞れず、しゃがむことも出来なず、包丁も握れない‥…ああ、情けない全く役立たず私………でも自分の頭の中の大掃除はできるよね。暖かな冬陽が差し込む居間の椅子に座って、日頃の積読本を読むことにしよう。なんという贅沢な時間な時間が与えられたことか!
黒川創「鶴見俊輔伝」を読み始める。約550頁の私の手には負えないほどの分厚さだ。最初の一節「福岡県門司生まれの秋山清という十八歳の若者は、………六本木の新聞店に住み込んで、配達の仕事を始めたばかりだった」という文章を読んで、いっきに頭の中に懐かしい思い出が蘇った。

1967年頃、神田神保町の出版社昭森社で編集の見習いをしていた頃、社主の森谷さんのところによく訪れるお客さまの中に小柄なおじさんがいた。お帰りになった後「あいつは詩人でね。ああ見えても筋金入りのアナーキストだ。また木遣が上手くてね」と森谷さんが教えてくれた。それから間もなく、なぜかそのおじさんと一緒に新宿歌舞伎町の飲み屋で一杯。その時の記憶は鮮明だ。江戸の鳶職を思わせる粋でいなせ浴衣掛け。突然木遣を歌い出した。張りのある美しい歌声。世の中の右も左も分からない当時23歳の私にとって、40歳以上も年上の秋山清は、そばにいて温かく寛く心地いいおじいちゃんのような人だった。

その先「鶴見俊輔伝」を読むと「有島武郎に続き‥‥大杉栄も死ぬ。その二人の死は、秋山清という若者を震撼させた。これなどがきっかけとなり、まもなく、彼は『詩らしきもの』を書きはじめる」と書かれていた。
関東大震災の大正12年、鶴見俊輔はまだ1歳だった。第二次世界大戦の末期に生まれの私の頭の中で、時空がどんどん広がっていく。大正から昭和、平成27年鶴見俊輔の死、そして、令和………。

面白い‼️ 役立たずの私に与えられた贅沢な時間。感謝、感謝。

comment(0 )

ページのトップへ戻る

私の1日の始まり

何となく変だなぁ、と思いつつ、時間が飛ぶように過ぎていく。世の中がだんだん壊れていく速度と、私の体が壊れていく速度が、だんだん近づいてくるようで恐ろしい。一人での外出が危うくなってから、家で過ごす時間が多くなった。

長年付き合ってきたリウマチの体も、ご主人さまである私の言うことをだんだん聞かなくなってきた。
困ったな……とあれこれ思い悩んでも始まらない。
朝、目覚めと同時に、思う前にカラダを縦にしよう、そして、未来から訪れる未知の時でカラダを満たそう。

私の1日は、こうしてスタートする。

comment(0 )

ページのトップへ戻る

君子さんとフィンランド

今年の10月102歳で亡くなったアキラの母君子さんは「私の誕生日はフィンランドが独立した年なの。だから是非フィンランドに行って、シベリウスの「フィンランディア」を聴きたいの」とよく言っていた。
確かに、君子さんの誕生日1917年(大正6年)は、調べてみると確かに、その年ロシアの支配下から独立た年だ。
三重県の津で育った君子さんは「子どもの頃一人でよく津の海岸にでかけて海を眺めながら、この海を渡っていけば外国に行ける。よし、大きくなったら絶対に外国に行こう。といつも小さな胸を踊らせていたの」と話していた。そしてその通りに、80過ぎまで仕事と仕事の間には、新聞広告の海外ツアーを申し込み、一人で海外に飛び出していった。ほんとうに、君子さんは自由で意欲に満ちた飛んでる女性だった。

そこで、私はベランダから美しい冬空に向かって、心の中で報告した。
お母さぁ〜ん、今日、フィンランドに34歳の若い女性の首相が誕生しましたよぉ〜‼️

comment(0 )

ページのトップへ戻る

笠井久子ブログ

CATEGORIES

  • カテゴリーなし