痛みを数値で表したら

その痛みを数値で表したら、どれくらい?と入院前のアンケートで聞かれた。果たして、痛みを数値で表すことができるのだろうか?いちばん痛い時が10で、今は3くらいかな、といい加減に答える。

そこで思い出したのは、ドイツで生活し始めたドイツ語もままならない頃、子どたちが病気をした時だ。

5歳になるミツタケが風邪をひいたとき、近所にDr.ブルーメ(訳すと、お花先生)という中年の女医さんのところに連れて行った。柔らかく包むように「どうしたの?あたまが痛いの?どう痛いか言ってみてごらん」と、それはそれは温かな声でミツタケの顔を覗き込んだ。

そばにいた私も、ひやぁーどうしよう、と内心慌てた。
頭がキリキリ痛い、ズキズキ痛い、ガンガン痛い、シクシク痛い、キューキュー痛い、、、、人によって表現はまちまちだ。果たしてドイツ語でなんと言ったらいいのだろう。絶体絶命。その時、どのようにDr.、ブルーメに説明したかすっかり忘れてたが、自分に身体の状態を外国のお医者さまに伝えるのは、とても難しいということだ。まして子どもにいたっては!

万国共通の数値で痛みを表せれば、便利かもしれないが、趣がない。
キリキリ ズキズキ ガンガン モヤモヤ シクシク ジンジン ムカムカ、、、、、
カラダから溢れ出てくる痛みのリアリティが感じられ、痛む人と繋がれる気がす。

今日も病室の窓からは、美しい青空が見えた。

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病室の窓から空を見る

15日の午後、無事手術を終えた。術前の先生のお話によると、私に膝はかなり面白い膝で、これほどグラグラしているのは珍しい、ということだ。最後に、「お願いなのですが、今回の笠井さんの手術で、骨を削った時に出る骨の粉を研究のために頂けないでしょうか?」と言われた。 私は「どうぞ、どうぞ、リウマチに苦しむ人たちに少しでもお役に立てれば、なによりのこと」と言った。

これまでも、血液や膝に溜まる水を、何度も病理学研究所に提供してきた。今日では、随分とリウマチに関して研究が進み明るい見通しになってきたようだ。嬉しいことだ。

カラダが壊れていくに従って、心が軽くなり・・・

空の青が美しい!

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お盆に入院

昨日(8月14日)国立相模原病院に入院した。そして、今日の午後、左膝の人工関節手術を受ける。世の中、お盆休みというのに、私のために執刀して下さる先生は大変だなぁ〜などと、余計なことを思いながら、ベッド上で今これを書いている。

先日終わった 「土方巽幻風景」に続き、10月10、11日の、笠井瑞丈×上村なおかダンス公演の振り付け、年明けの「高丘親王航海記」の稽古と、この猛暑の中、天使館は大賑わい。

そのように忙しいダンサーたちを尻目に、1ヶ月入院とは、申し訳ないとは思うものの、まだまだ旅は続きそう。私のカラダも部品交換し修理すれば、まだまだ走れそうだ。

久し振りに我が家を離れて、病室の窓から見る夏の空は新鮮だ。

ひかりは、秋を確実に秋に傾いている。与えられた時間をゆっくり楽しもう。

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旅のはじまり

昭和35 年夏。国分寺の杜は蝉の声に満たされ、紺碧の空に輝く太陽が・・・

こうして始まった旅の情景。

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夏の記憶

目覚めると

おおきな夏の青空が

リウマチで歪んだ

わたしの カラダの内側に

するりと入り

70年前の夏の朝が

今日の朝と重なる

幼い目に映った

あの青空

顔より大きく切った  くし形のスイカ

甘い香りが あたりに漂い

小さな口もとから

赤い果汁が

溢れ出る

洗濯したての 白い

木綿のワンピースの胸元が

真っ赤に染まる

容赦なく

照りつける

真夏の太陽の光は

夢中でスイカに食らいつく

穢れを知らない子どもらの皮膚を

じりじりと  焼く

ひまわりの黄色い花弁に目が眩み

ミツバチが  ぶんぶん唸る

スイカの種飛ばし

「一番遠くに飛ばしたのは  だあ〜れ?」

明るい声が

遥か彼方に 木霊する

無限の時間の凝固

畑の中の

野うさぎの滑走

一匹のトカゲが

焼けた石の上を

走った

未来から 記憶の風がふいてくる

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夏の空に向かって

早春の風に乗って、青空に向かって飛んで行った詩人の片山令子さん。

夏の空は、いかがですか?

真っ白なフワフワの雲。いつの日か、国立の大学通りの喫茶店で一緒に食べたアイスクリームのように美味しそう!!

朝起きると、まず二階のベランダから空を眺めます。爽やかな空気の中で、風のそよぎに触れながら、鳥の声を耳にしながら、令子さんのコトバを想うのです。

空はやがてみんなの住むところ

ひとびとの精神(スピリッツ)が

生きているところ。                       ー空の時間ー

そして、私は、いつの間にか空の人になった令子さんに「おはよう!ご機嫌いかが?」と、夏の空に向かって呼びかけます。

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