命の線引き

昨日は雪。今日は冷たい花曇り。ニュースで、志村けんさんがコロナで亡くなったのを知った。70歳! 私より6歳もお若いのに。
イタリアでは医療崩壊で、高齢の感染者には治療を施せないそうだ。もし私がコロナウイルスに感染したら………もともと、免疫抑制剤を常用し、その上、気道が狭く、呼吸が浅い、リウマチ持ちの私なので、これから先のある若い人々に治療ベッドを譲るのになんの躊躇いもないのだが、突然、外側から、いのちの線引きをされるとは思ってもみなかったこと。志村けんさんも、これからやりたいこと、やるべきことの計画を心の中にいっぱいお持ちだったことでしょうに。

あれこれ思い悩んでも致し方ない。心の中までコロナにやられないように。

心の中に
たくさん コトバの種を 植えよう。
美しい色 芳しい香り 透明な響き
壊れていくカラダを 恐れるな!

心の中のコトバたち 
光と熱になって
やがて 壊れたカラダは
青空の中に 溶けて流れていく。

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笠井叡「DUOの會」

新型コロナウイルス拡散防止のため、kAAT神奈川芸術劇場で幕開けした「笠井叡DUOの會」は、プレヴューと本公演2回の3回で終わってしまった。1963年の朝日講堂「犠儀」の公演以来何回公演を重ねて来ただろうか? 公演中止は初めてのこと。
でも、今も、目に見えない相手に多くの命がのみ込まれていく。カラダがあれば、何時でも踊れる‼︎

大野一雄先生に出会う2年前、18 歳になったアキラは……
……僕は僕なりに自分の価値を信じている。自己の偉大さが僕を見捨てないかぎり、僕は一人の淋しさを耐えることもできる。いよいよ18歳だ。勇気を出そう。僕は一人の時に密かに感ずる。未来の目標を心に浮かべて身震いする時が有る。それは未知に対する恐れでもあり、又、芸術の永遠性と一個の人間の小さな力を感じるからだ。僕は過ぎ去った過去を振り返った時、みじめな気持ちをいだいたりしてはならない。僕はそれを歓喜の気持ちでながめたいと思う。そして、自分が最後に一生を振り返った時、歓喜を持って、それを讃歌できるように………(アキラの手紙から)

そして、1962年大野先生の上星川の稽古場を尋ねたアキラは、翌年先生と1回目のDUO作品「犠儀」を創る。今から60年前のこと。

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目に見えない新型コロナウイルスの中で………。

ローマのマリアピアはどうしているだろう? フランスのエマニュルは? フライブルクのバーバラは? ニューヨークのヒメナとシゲは? シオヤサン、ミヤイサン………? みんなみんなどうしているだろう?
命の数が毎日毎日減っていく、地球上のあらゆるところで。
年老いた人も若い人も富んだ人も貧しい人も健康な人も病気の人もどこの国の人もどんな職業の人も、みんな同じ不安を呼吸して、剥き出しのいのちを生きている。
みんなどうしているかな?

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お祈りの言葉

空気が冷たい。洗濯干し場のコンクリの上のあちこちに、桜の花びら。今日の太陽はよそよそしい。
昼食。五目ずし。青梗菜、ワカメ、とうふのスープ。かぶ、ミニトマト、きうり、サニーレタスのサラダ、胡麻ドレッシング。いたってシンプルな食事。メルボルンの公演を終えて帰国した川口隆夫さんが、来週横浜のKAATでの公演「DUOの會」の稽古に訪れる。朝からニュースは新型コロナウイルスのことばかり。わたしの友たちはどうしているだろうか。
何か根拠を探ったり、解釈したり、説明したり、いいわけしたり……せず、永遠の一瞬一瞬を、静かに丁寧に受け止めて………そして、祈りの言葉を唱える。

 「われらを試みに合わせず 悪より救いいだしたまえ」
ではなくて
 「われらを試みに合わせてください そして 悪を認識する目をお守りください」と。

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春の夢

穏やかな春の日。昼食。アキラと二人。鮭、じゃがいも、人参、玉葱、大根、ブロッコリー、ウインナーのスープ。レンコンの金平。たくわん。ご飯。静かな時間。じっと動かない。秘めやかな空気。暖かな春のひかりに見え隠れする灰色。おずおずと外側を覗く気配。見えないコロナウイルス。不安と諦めと焦燥と。醒めた意識。心に差し込む光。記憶から。アイヒェンハイムの小径。緑の風。青空の白い雲。尖塔の見える遠い風景。雲雀の囀り。樹々のざわめき。老夫婦の散歩、犬を連れて。乳母車を押す若い母親。木陰で読書する若者。ブーメランに興じる子どもたち。笑い声。黄色、白、ムラサキ色の小花たち。透明な静かな時間。温かい息吹きに満たされる。

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3月の雪

昨日は春爛漫の陽気で、今日は冷たい雨の冬日。キッチンのテーブルに座って、庭を眺めていたら、白いものが、あっ雪! 
2、3日前に、我が家の桜も開花し、さっそく鳥たちが花を啄みに飛んできていたのに。
新型コロナウイルスのニュースの毎日で、いつのまにか桃の節句も過ぎてしまい……。
雨の中で真っ赤なボケの花が咲き誇っている。昨年10月102歳で亡くなった義母君子さんが生前植えたボケの木。真っ黄色のラッパ水仙、クロッカス、ムスカリ…何の世話もしてあげないのに、狭い庭の大地から伸びてきて、雨に打たれている。
気が滅入る時は、読書に限る。明日は晴れるかな?
 
芸術とは呪文であり魔術であるーこれが芸術の体験のいちばん始めの形であったに違いない。  ースーザン・ソンタグー

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笠井久子ブログ

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